矯正歯科のためになるNEWS

歯並びの悪いことで起こる症状は重い・軽いもあり、本人がはっきり自覚している場合もあれば、指摘されて初めて気がつく場合もあります。こうした症状があっても、やっかいなのは原因がどこにあるかわからないことです。
だいぶ昔のことになりますが「億総半病人時代」といわれたことがありました。日本人のほとんどが、病気ではないけれど健康でもない半病人だというのです。

まさにそういう状態の人が、私の患者さんにも多いのです。体に不調があれば、ふつうはそれを内臓の病気の兆候だと考え、病院で診察してもらいます。
ところが検査を受けても、悪いところが一つも見つからないことが多いのです。そして、原因がわからず気のせいや年のせいにされ、自律神経失調症の薬や精神安定剤などを処方されて終わってしまいます。
こうした、原因が見つからない症状を「不定愁訴」といいます。患者さんは原因がわからないために病院を転々とし、ハリやマッサージに通ったり、健康食品に救いを求めることも考えられるのです。
歯に原因があれば、かみ合わせを改善することで、不定愁訴は消える場合があります。しかし、歯に原因がなければ、不定愁訴は残ります。
もし、体の不調が消えなければ歯に原因がなく、むしろ、他の原因を考えたほうがいいでしょう。あごの骨は咬筋などの筋肉によって動きます。
これらが一体になって動いて初めて口が開いたり、物がかめるわけですが、この動きはてこの原理にたとえられます。てことは、支点を真ん中にして左右に力点と作用点がある「てこ」のことです。
私たちがよく使う洋はさみを思い浮かべてください。手に持ったところが力点、歯が交差しているところが支点、その先の刃が作用点です。
刃を握る部分が力点、根元から刃先までのあいだの紙を切る刃先が作用点です。顎関節はてこの原理で動く日本の和はさみです。

ところが支点、刃の交わるところが力点、が作用点になります。それは和はさみのような「てこ」です。
動きを支える支点が壊れないかぎり、力が加わらず、切る作用の影響を受けません。この丈夫な和はさみと同じ、3級のてこの原理で動きます。
上下のあごをつなぐ顎関節、力点があごを動かす筋肉、作用点が実際にものをかむ歯です。ですから顎関節は本来、壊れにくくできているのです。
ところがそれを壊すのが、歯並びの異常です。歯並びが悪くなることによって、てこの支点である顎関節が支点の役割を失い、てこの原理が狂ってくるのです。
本来の顎関節症は、この原理が狂い、顎関節に障害が出てきた疾患は一種の顎関節症です。顎関節症は歯やかみ合わせからくるものとあご、その他のものに障害のあるものに分けられます。
顎関節症は関節単独の病気ではなく症候群で、顎関節を中心とした異常によっておきるさまざまな症状を総称したものです。
その症状の代表的なものは、整体のひずみが引き起こす全身の症状視力低下、チック症、目のつかれ、目がチカチカする、イビキ、鼻づまり、発音障害、昧覚がない、舌のもつれ、関口障害、関口異常、水がしみる、歯ギシリ、肩、乳房のしこり、乳腺炎、腰痛、額の痛み、こめかみの痛み、偏頭痛、上顎洞の痛み、頭皮のかゆみ、貧血、耳鳴り、あごの関節痛、ほほの筋肉痛、ほほ、舌の運動、制御不能、首がまわらない、咽頭炎、腕・上腕の痛み、へルニア、背骨のずれ、ぢ。
なぜ顎関節の症状が全身に出るのか。顎関節症がおきるしくみは、一般的には次のようにいわれています。
ずれて正常な位置にないと、あごはスムーズな動きができず、開閉しにくくなったり、クリック音が出たりしてきます。また、不自然な動きにともなうあごの痛みも出てきます。
顎関節の骨がぶつかったり、あごを動かす筋肉がふだんとは違う方向に引っ張られておきる痛みです。岨噌筋にかかる力のバランスが悪くなるから下顎頭や関節円板これは、かみ合わせがずれて、だといわれています。

しかしどうも原因の最初の成り立ちはそうではないようです。つまり最初に顎関節の役割を失い、かわりに奥歯が支点になると、顎関節は作用点に変わってしまいます。
先ほどのてこの原理を思いだしてください。顎関節は3級のてこから、壊れやすい1級のてこに変わってしまうのです。
下顎頭や関節円板のずれを引きおこします。さらに下顎頭と関節高がずれたり、関節円板がずれてくるとそこに炎症がおこり、顎関節症の症状が現れるのです。
この状態が進めば、下顎頭の位置はさらにずれて重症化します。また、症状が全身に波及していくこともあります。
また見落とせないのは、筋肉の動きです。あごの複雑な3次元的きには、顎関節を動かす筋肉や、その筋肉を収縮させる神経も関係しています。
ところがてこの原理が狂うと、この筋肉や神経にも異常がおきてきます。筋肉が本来の動きとは違う方向に引っ張られたり、ゆるむべきところが緊張したりして、顎関節症の症状をさらに悪化させるのです。
顎関節を構成する下顎頭は、頭蓋からぶらさがって均衡を保っています。この位置がずれれば頭蓋骨のバランスが崩れ、それにつながる頚椎や脊椎がゆがんできます。

脊椎がゆがめば、骨盤もバランスを崩し、手足の先まで症状が出てくるのです。またかむという行為は、歯、骨、関節、筋肉などの組織が脳からの指令を受け、システマティックに行われています。
その行為の背景には、神経系、感覚系、骨格系、筋肉系、内分泌系、さらに消化器、呼吸器、泌尿器など、全身の器官が関係しています。先ほども書いたように顎関節は下顎頭と側頭骨でできていて、下は頚椎があります。
頚椎は脊椎の上部を構成し、ここから骨盤まで背骨によってつながり、さらに股関節から足の骨につづいています。頚椎が安定しなければ頭蓋骨も安定せず、骨盤にゆがみがあれ私たち歯科医は、かみ合わせのずれや顎関節の異常が全身症状に及ぶことを経験的に知っています。
日々接している患者さんから訴えを聞いていますし、顎関節の位置や役割を考えてもそれは容易に想像できることです。しかし「なぜか」ということについては、まだ医学的に解明されていません。
かみ合わせと全身症状のあいだには、依然として深い関係が横たわっているのです。しかし重要なポイントは関節部に近いことです。
しかも頭蓋骨と頚椎をつなぐ骨格のすれは顎関節からも始まる顎関節症の症状があごだけにとどまらず、全身に及ぶのも自明のことです。これらの器官は顎関節に非常に近く、頭部に集中していることがわかります。
顎関節のすぐ上の後方には耳管が通り、内耳、中耳といった耳の器官があります。顎関節の位置異常が長く続いたり、異常の程度がひどいと、内耳や中耳に強い影響が現れます。
難聴やめまい、耳鳴りはその結果現れるものと思います。そればかりではありません。

耳管の先は鼻につながっていますから、鼻づまりやいびきの原因になります。その影響は鼻にもさまざまな症状が出てきます。
手足のしびれなどは、その典型的な症状でしょう。このように、顎関節という頭部の1部でおきた異常が全身に及ぶのは、ゆがみを通して脊椎を湾曲させることに原因があるのです。
また顎関節の内側や後ろには、脳が顎関節(がくかんせつ)が後ろにずれると、これによって視力低下や眼精疲労がおきる。問題なのは、頭への影響です。

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